毎年11月初旬になると、来年の作付けに向けて、畑に肥料を撒く作業が始まります。地元の肥料屋さんで調達した化学肥料と牛糞堆肥を、一つ一つ丁寧に撒いていくのですが、この作業が、土と向き合い、作物の成長を想う、大切な時間です。化学肥料は作物の成長を力強く後押しし、牛糞堆肥は土壌をふかふかにしてくれるので、両方欠かせません。
甲州牛で知られる小林牧場の堆肥を使用しています。以前、地方新聞47CLUBの山梨県出店企業として小林牧場さんと知り合い、牧場から出る堆肥の管理方法についてお話を伺う機会がありました。徹底した管理の下で作られた堆肥は、土壌の改良に非常に効果的で、作物の生育にも良い影響を与えてくれます。それ以来、品質の高さに信頼を寄せ、継続して利用しています。
4トントラックで数回に分けて搬入された大量の牛糞堆肥は、シャベルローダーで効率よく運搬車に積み込み、畑全体に均一に散布しました。牛糞堆肥は窒素、リン酸、カリウムなどの肥料成分は比較的少ないものの、豊富な有機質を含むため、土壌の団粒構造を改善し、微生物の活動を活発にする効果があります。これにより、土壌の保水性、排水性、通気性が向上し、作物の根張りが良くなり、生育促進につながります。今年も十分な量を施用し、土壌環境の改善と作物の生育向上を目指します。
最後に、ペレットタイプの緩効性化成肥料をご紹介します。1年間、美味しい実をたくさんつけてくれた桃と葡萄の木に、来年も良い実をつけてもらうために、専用の肥料散布機を用いて丁寧に施肥を行います。この機械は、20kgのペレット肥料を収容できるホッパー(バケツ状の容器)を備え、散布幅を調整しながら均一に施肥できる優れものです。これにより、作業時間の大幅な短縮と、肥料の無駄な散布を防ぐことができます。使用する肥料は、葡萄用にはカリウム成分を強化したものを、桃用にはリン酸成分を強化したものを選定しています。これは、葡萄の果実の糖度向上と、桃の花芽形成を促進するためです。収穫後の様子や葉っぱの様子、生育状態など見ながら最適な配合と施肥量を決定し散布しました。