1月の勝沼は、寒いですね。この時期、剪定作業が終わった畑では、生育を早める処理を行っていきます。近年、その上品な甘さとパリッとした食感で大人気のシャインマスカット。市場では高い需要が続いており、早期出荷は大きなメリットとなりますが、シャインの収穫は8月下旬から、と言うのが私たちの悩みでもあります。できたら8月のお盆頃にも食べたい!!この要望にできる限り対応するために、生育を早めるための秘訣、生育促進処理を毎年行っています!
使う薬品は生科研さんのメリット青です。
刷毛を使って、結果母子に塗っていきます。専用のメリットローラーなどもありますが、理想園では、刷毛を利用しています。1本1本の枝に手作業で塗っていきます。
それでは、発芽促進処理について紹介していきます。
発芽促進処理とは?
発芽促進処理とは、文字通りブドウの発芽を促し、1月中旬までに処理をすることで生育を早める効果があります。
ブドウの生育促進には、メリット青やCX-10といった薬剤が一般的に使用されています。理想園では、長年の経験からメリット青を使用しています。メリット青は、植物ホルモンの一種を含んでおり、ブドウの休眠打破を促し、発芽を促進する効果があります。
生育促進を目的とする畑:1月初旬~中旬に処理
この時期に行う処理は、ブドウの休眠打破を促し、生育を全体的に早めることを目的としています。早い時期に処理を行うことで、その後の生育がスムーズに進み、結果として収穫時期の前倒しにつながります。
発芽促進を目的とする畑:2月初旬に処理
こちらは、発芽を促進することを目的としています。2月初旬に処理を行うことで、発芽促進させます。1月初旬に処理をした畑より、発芽は、遅くなります。
同じメリット青を使用し、同じ濃度で処理を行いますが、処理を行う時期によって目的が変わってくるのがポイントです。
また、デラウェアなどの品種は、シャインマスカットや黒ぶどう(ピオーネ・巨峰・藤稔)とは異なり、薬剤の濃度を変更して作業を行っています。これは、品種によって薬剤への反応が異なるため、最適な効果を得るために濃度を調整する必要があるからです。
具体的な作業手順としては、まずメリット青を水で希釈します。希釈する濃度は、目的や品種によって異なります。その後、剪定した枝の切り口に丁寧に塗布していきます。
処理後は、温度管理や水やりなど、適切な管理を行うことが重要です。
発芽促進処理の注意点
発芽促進処理は、収穫時期を早めるための有効な手段ですが、注意点もあります。
- 薬剤の取り扱いには十分注意し、使用方法を遵守すること。
- 天候や樹の状態によっては、処理の効果が出にくい場合があること。
- 過剰な処理は、生育不良や品質低下につながる可能性があること。樹勢が弱い木では、枯れる場合があります。
理想園では、長年の経験に基づいて、適切な時期に適切な方法で処理を行っていますが、常に注意深く観察し、必要に応じて対応しています。
まとめ
発芽促進処理は、シャインマスカット・黒ぶどう(ピオーネ・巨峰・藤稔)の発芽を安定させる技術です。理想園では、メリット青を活用し、畑の状況に合わせて最適な処理を行うことで、安定した品質のシャインマスカット・黒ぶどう(ピオーネ・巨峰・藤稔)の栽培に努めています。
今後も、生育状況などをブログで発信していく予定です。ご質問などございましたら、お気軽にお問い合わせください。